絞り出した場所 8
ケーキを食べ終わり優雅に紅茶を飲みながらまったりと会話を楽しんでおりました。
私はびっくりしたのですがホテルのカフェは紅茶とコーヒーがおかわり自由なんですね。
アイスコーヒーやアイスティーだとおかわりができないと言われたので私はホットの紅茶を、ピヨさんはコーヒーを頼んで飲み続けていました。
そして私は極度の甘党でして、新しい紅茶が運ばれてくるたびに狂ったように砂糖を入れていました。
初対面でこんなポンポコ入れたらドン引きされるとは思ったのですが、砂糖を入れないと苦くて苦くて・・・
昔からの友達の前でもドンドコドンドコ砂糖を入れるのですが、「あんた死ぬで!」とよく怒られたものです。
そんな私を見ながら、ピヨさんは砂糖一つ入れずにコーヒーを飲んでいました。そうです。私とは正反対のブラックを飲んでいるのです。
私は砂糖を入れすぎて紅茶なのか砂糖水なのか分からなくなってきました。
ピヨさん「かもめちゃんはすごい甘党だね」
私「砂糖入れないと飲めなくて・・・」
ピヨさん「味覚は人それぞれ違うもんねー」
ピヨさんはドン引いている様子もなく、優雅にコーヒーを飲み続けます。
大人の余裕がすごい。
「あ、そうだ。かもめちゃんは興味のある場所とかモノとかあるの?」と質問されたので私はない頭を振り絞って考えました。
(本当に・・・無いなあ)
このブログでも何度か言っていると思いますが、私は休みの日はもっぱら寝ています。
友達に誘われても「14時以降でもいいか・・・?」と頼むくらいに寝ています。
休みの日は12時くらいまで寝てますもので。
そして、ピヨさんがせっかく質問してくれてるんだから出来れば美術系の場所を出したい。
けど本当に分からない。
うーんうーんと考えながら、私はふとピヨさんの顔を見ました。
(やっぱりヒヨコちゃんに似ているな・・・チキンラーメンが食べたくなってくるほどには似ている・・・チキンラーメン・・・そうだ!!!)
今日の私はめちゃくちゃに閃いているようです。
自分で自分を褒めたい。
「カップヌードルミュージアムですかね!」と声高々に宣言しました。
ゴッホのひまわり〜 7
趣味の話になり、ピヨさんはキラキラとした目で色々と教えてくれました。
ピヨさん「俺、昔から美術が好きで大学も美大に行ったんですよね」
私「それはすごいですね!」
ピヨさん「いやいや全然よ😅今は全く違う仕事してるわけだしさ。それでよく美術館とかに1人で行くんだけどね〜」
そう言ってピヨさんは小さなカバンをゴソゴソとして何かを出そうとしていました。
ピーン!ときましたね。
またまた閃いちゃいましたよ。
ここからが本番なんだなって。
きっとその小さいカバンからゴッホのひまわりを出すんでしょう?
え?そのカバンからその大きさの絵が出てくるの?っていうちょっとした四次元ポケットみたいな感じで出すんですよ。
「ゴッホのひまわり〜」ってドラえもんみたいに出すんですわ。
さあ来いと。ハッキリNO!と言うぞと思ってたらピヨさんはチラシのようなものを取り出して私に見せてくれました。
「最近はここに行ってきたよ。かもめちゃんはこういうのはあんまり興味ない??」と。
チラシを見るとある作家?画家さん?の美術についてのことが書いてありました。
私「・・・な、なるほど〜!私は美術はもっぱら分からないですね。ゴッホのひまわりしか知らなくて・・・」
ピヨさんは「ゴッホのひまわり知ってたら十分!十分!」とハハッと笑いながら言いました。
十分なら良かった。何が?
もしかしたらピヨさんはビジネスを勧めてこないんじゃないかと私は思い始めました。